リフォームノート

高齢者仕様に玄関を介護リフォームするときのポイント

2021年8月11日


家族の中に高齢者がいると、自宅をより使いやすくするためにリフォームしようと考える人も多いでしょう。今回は、玄関に焦点を当ててリフォームする際のポイントをご介します。介護保険制度の対象になるポイントを押さえたリフォームで、賢く住みよいリフォームを目指しましょう。

玄関を介護リフォームする目的

介護リフォームの目的は、高齢者が住みよくなることと、介護する側の人にも使いやすくすることがポイントです。

高齢者が自分で行動しやすくなるようにリフォームすることは、高齢者の外に出ようという意欲にも繋がり、要介護度が進むのを遅らせる手助けにもなります。また、要介護の区分が上がれば上がるほど、介護する人の肉体的・精神的負担が増すため、負担を減らして介護しやすいリフォームをすることが重要です。

また、介護リフォームをする際に介護保険制度が適用されるのは、要支援1〜2の人と、要介護1〜5に認定されている人が住む住宅です。

玄関リフォームのポイント

「玄関のドアが重いから軽いドアに交換しよう」「靴を履く時にグラついて危ないから、手すりをつけよう」と、早速色々な案が頭の中に浮かんでいるかもしれません。しかし、介護保険制度を使うなら、手順を踏まなければならないため、リフォームする際には計画的に行うようにします。

玄関リフォームの手順と対象となる工事内容

介護保険制度では、住宅改修をする際に20万円までの補助金が給付されます。そのうち1割の2万円は自己負担なので、実質18万円の給付です。20万円を超える工事をした場合は、18万円以上は自己負担となります。

介護保険制度を使って玄関リフォームをするには、事前に申請して承認される必要があります。すでに介護認定を受けている人は、ケアマネージャー(介護支援専門員)に相談します。

介護保険制度の認定が降りる前に工事をはじめてしまうと、認定が降りなくなることがあるので注意しましょう。

なお、補助金は数回に分けて利用することができ、例えばドアの交換、次は手すりの設置など、期間をおいて別々の工事にあてることができます。また、要介護度が3段階以上進んだ時は、再申請してさらに20万円の給付を受けることが可能です。

玄関リフォームの対象となる工事内容

介護保険制度の対象となる工事の具体的内容は、以下のものです。

介護保険の対象となる工事

  1. 手すりの取付け
  2. 床の段差の解消
  3. 滑り止め防止および移動を円滑にするための床材の変更
  4. 引き戸などへの扉の交換
  5. 洋式便器への交換
  6. 1〜5に付帯する工事

このうち、玄関に関係があるのは1〜4と、6番です。

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4-1.移動する時につかまる場所を作る

廊下から玄関、玄関内、玄関から門までなど、移動する際に手すりがあるとつかまる場所ができて体が安定するので、転倒を防げます。

高齢になると、ちょっとしたことが億劫になり、外出のネックとなる場合がありますが、移動のしやすさは外出しやすさにも大きく影響します。

4-2.靴の着脱を座ってできる場所を作る

高齢になると、靴を脱いだり履いたりする時に体の安定を保ちにくくなります。そのため、座って靴の着脱ができる玄関椅子などを置くのがおすすめです。

また、上り框が高すぎる場合は、床と上り框の間に台を設けると、動作が楽になります。

4-3.滑らない床にする

ツルツルした床材は、雨の日などに滑って転倒する恐れがあります。雨の日でも滑らない床材に変えることは、外出時の安心感にもつながります。

4-4.車椅子や歩行器でも入れる玄関にする

玄関が狭いと、玄関から家の中への移動が大変です。玄関を車椅子や歩行器でも入れる広さにすると、本人だけでなく介護者も楽になります。

車椅子や歩行器を使う人は、玄関までのアプローチもスロープにするのがおすすめです。

4-5.使いやすい扉に変える

玄関の扉を軽いものにする、または左右に開閉できるスライド式のドアに交換すると、出入りする時に高齢者だけでなく介護する人にとっても便利です。

玄関を介護リフォームして暮らしやすくしよう

玄関は、家の中と外をつなぐ大切な出入り口です。玄関の使い勝手が良くなれば、高齢者は外出しやすくなり、体を動かす機会が増えます。また、付き添う介護者にとっても介護しやすくなって負担が減ります。

高齢者がいる住宅のリフォームをする際には、介護保険制度を使って賢く行い、暮らしやすさを手に入れましょう。

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