浴室はおもに在来工法とシステムバスの2種類があります。
築年数の古い戸建て住宅では在来工法による浴室が多く見られますが、近年において建築される住宅ではシステムバスのほうが主流です。
また快適性や利便性の高さを理由に、在来工法の浴室をシステムバスへリフォームする家庭も多くあります。
在来工法の浴室をシステムバスへリフォームするメリットについて、そして実際にリフォームを行った事例についてご紹介いたします。
在来工法からシステムバスへリフォームするメリットとは
戸建て住宅において浴室が在来工法であった場合、システムバスにリフォームすると得ることができるメリットについてご紹介いたします。
冬の寒さを軽減する
住宅の断熱性能に関しては、1980年制定の省エネ法に基づき定められた「省エネ基準」によって初めて断熱に関する仕様基準が設けられました。
その後にも何度かの改正を経て「省エネ基準」の強化が図られており、現在の住宅には欠かすことはできない重要な指標となっています。
築年数の古い住宅においては断熱性能が十分でないものが非常に多く、とくに1980年以前に建築されたものは断熱材が未使用、かつ気密性が欠如していることによって室内温度の維持は難しくなります。
冬の浴室に関しても同様で、断熱不足と仕上げ材がタイルであること、また窓からの冷気流入によって寒い空間となってしまいがちです。
システムバスの場合は、外壁と浴室の間に空気層を設け、さらに断熱材で覆われた構造となるため浴室内温度は維持しやすくなります。
そして断熱性の高い窓にすることで、保温効果をさらに高めます。
漏水のリスクを大幅に軽減する
在来工法は室内の仕上げにタイルを貼っていることが多く、目地が劣化することで水が侵入し柱や土台など重要な構造部を腐食させることがあります。
そうなると建物の寿命を縮めることにつながるため注意が必要です。
一方、システムバスの場合はつなぎ目が少なく水が漏れにくい構造となっているため、建物を劣化させるリスクは大きく軽減することができます。
事故を抑制する
古い住宅の在来浴室は断熱性能が不十分であるため、冬には寒く温度差が原因で起こるヒートショックによる事故が多くなる傾向にあります。
そしてタイル素材は滑りやすく、また段差も多くなることから転倒してけがをするリスクも高くなります。
システムバスの場合は、保温効果によって室内の温度が維持されることや、床には滑りにくい素材が使用されており段差も少ないことなど、浴室内での事故発生を抑制します。
そうじが比較的簡単
タイルの目地部は汚れやカビが付着しやすく、そうじが非常にたいへんです。
システムバスの場合は、つなぎ目が少ないため汚れなどが堆積しにくい構造で、また内装も汚れにくい素材を使用しているため、日常のそうじが楽になります。
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以上のように古い住宅における在来浴室をシステムバスにすることは非常にメリットが多くなります。
ただし、断熱性能が十分な住宅の浴室に対して在来工法を採用することは大きな問題があるわけではありません。
むしろ、ユニットバスにはない、自分の理想とする浴室を自由につくることができるという点ではメリットといえるでしょう。
システムバスのリフォームリフォーム事例
今回は山口県の戸建て木造住宅における浴室および脱衣室のリフォームをご紹介いたします。
浴室は在来工法でつくられており、タイル仕上げであることから、冬には寒く、またタイル目地の清掃が大変だったということで、システムバスにリフォームを行っています。
浴室の形状がL型となっておりましたが、窓の幅に合わせたシステムバスを設置しました。
浴室をコンパクトにすることで、脱衣室にスペースが生まれ、稼働棚を設けることで収納不足を解消しています。
また、つまずきによる転倒を防止するための対策として、浴室と脱衣室にあった段差をなくしています。
システムバスのリフォームまとめ
古い木造住宅において在来工法による浴室は、建物にとって、また生活を送る家族にとってもリスクが伴う場合があります。
毎日の疲れを癒すための場所でもあるため、もし不便を感じるようであれば、安全で快適なシステムバスへのリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
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