浴室や洗面所などの水回りは必ず毎日使用する場所ですが、ライフスタイルの変化によって使い方も変化するものです。
また汚れやすく傷みやすいことが特徴で、こまめに掃除をすることや修理を施すことなど定期的なお手入れが必要な場所でもあります。
とくに高齢者にとっては危険な場所となることもあり、環境に合わせて使いやすくつくり変えることは快適さを追求するという意味においても有効といえるでしょう。
今回は年齢が80代1人でお住まいの広島県三原市のN邸で実際に行われたリフォームについてご紹介いたします。
浴室リフォーム
Before
浴室は20年ほど経過しており、故障があっても部品などが揃わず修理が不可能な状態です。
入り口には折れ戸が使用されていますが、折れ戸は開閉に力を入れることが必要であるため、開きにくい場合は力強く引くことになり、はずみで転倒する場合があります。
さらに開口幅が狭いため介護が必要となった場合には出入りに支障が生じるかもしれないことや、浴室と洗面所の間には段差があり足をひっかけてしまうことなどは、リスクとして考えられます。
また浴槽はFRP素材でつくられており経年によって色あせが進んでいますが、FRPは汚れが付着しやすいという特徴があるため、日常のお手入れという点では高齢者には負担が大きくなります。
After
ユニットバスはタカラスタンダードの「プレデンシア」が採用されています。
非常に高級感のある仕上げが印象的で、蓄熱効果の高いホーローの浴槽と壁パネルが特徴です。
ホーロー素材は傷も汚れも付きにくく、また床には汚れにくい「キープクリンフロア」が使われているため、掃除などお手入れの負担が軽減されます。
高齢者に多いヒートショック対策として有効とされる浴室暖房乾燥機も天井面に設置されているので冬場での入浴も快適です。
浴室ドアは3枚引き戸に変更されて開閉が楽にできるようになり、また開口幅も広く確保されているため移動も簡単です。
浴室と洗面所の間にあった段差も解消されており、バリアフリー化によって転倒のリスクが大幅に縮小されました。
洗面所リフォーム
Before
洗面台も20年が経過しているため修理による対応は難しい部分も発生します。
そして必ず毎日使用するところであるため使い勝手が非常に重要となります。
高さが低いと腰を曲げる姿勢となり、体に負担がかかるため、高齢者には少し高めに設置するほうが使いやすくなります。
床はクッションフロアを貼っていますが、だいたい10年を目安に貼り替えることがよいとされており、経年によって劣化すると、浮きや剥がれが生じ、つまずきなどの原因となる場合があります。
また洗面所は、バリアフリーにすることや、車いすの使用を想定してできるだけ広くスペースを確保することもポイントとなります。
After
洗面台もユニットバス同様にタカラスタンダードの製品が採用されています。
以前よりも高めに設定してあることで楽に使用することができ、収納を備えた3面鏡も非常に大きく視界が広がります。
洗面台の奥行も以前のものより狭くなっているため、洗面所のスペースが広く使えるようになり、さらに上部にはキャビネットを設置するなど収納力も高まりました。
壁には下地補強のうえ腰の高さで手すりを設置し、安全に移動ができるようになっています。
また床には水回り用のフローリングを使用することで耐久性を高め、高級感のある仕上がりが実現しました。
使用頻度の高い水回り部分は、使い勝手よくリフォームしていくことで生活の質が大きく向上します。
とくに高齢者家族がいる家庭においては、事故リスクのある水回り部分の改善は大きなテーマとなるでしょう。
機能を充実させることもよいですが、危険をできるだけ排除することも重要なポイントとなります。
快適な生活を長く続けるために水回りリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
取材協力:
イワタニ山陽株式会社
広島市安芸区中野1丁目7番2号
TEL:082-893-3055/FAX:082-893-0943