マイホームを建てるときに計画した間取りが、実際に生活を送るなかで使い勝手が悪いと感じることもあるのではないでしょうか。
またライフスタイルの変化や家族構成の増減によって、住居を住みやすくリフォームすることは快適な生活を送るうえで有効な手段となります。
とくに浴室などの水回りは、利便性や快適性を高めたいと思ったとき、あるいはライフステージの節目などは思い切ってリフォームすることもよいでしょう。
今回は山口県の木造住宅において浴室を移動し利便性を追求したリフォームをご紹介いたします。
浴室移動リフォームの内容について
浴室を建物内の別の位置へ移動するリフォームは、使い勝手の悪い部屋を有効利用することや、間取りを変更して効率のよい動線を確保することなどの効果が期待できます。
またとくに水回りで収納スペースが不足すると不便ですが、間取り変更と同時に解消することも可能です。
ただし浴室移動リフォームにはいくつかの注意点があります。
どのような点に注意しておくとよいのか解説いたします。
工事の規模が大きくコストは割高
浴室の移動は、通常の浴室リフォームと比較して難しい工事となります。
というのも、浴室の移動には給排水管やガス管、電気配線などの移設が伴うためです。
排水管は、排水がスムーズに流れていくよう適度な勾配を確保しなくてはいけませんが、排水管の距離が長くなるほど床下には高さが必要となります。
高さが不足する場合は床を上げて対応する必要があり、もし上げることが不可能であれば浴室の移動はできないか、あるいは別の位置を検討することになります。
床を上げることは段差をつくることになるため、高齢者家族がいる場合には転倒などの危険性を考慮する必要があるでしょう。
浴室移動リフォームは、各種配管の距離が長くなるほど工事は難しくなり、またコストも割高になる傾向にあります。
建物構造への配慮が必要
1981年以降に建築された住宅は、建築基準法による「新耐震基準」で建築されています。
「新耐震基準」とは、大きく震度6強~7程度の大規模地震で倒壊しないこと、および震度5強程度の中規模地震でほとんど損傷しないことが定められています。
「新耐震基準」でつくられた建物の構造は構造計算をもとにつくられており、耐力壁など必要な位置にバランスよく配置することで機能します。
しかし、必要な構造が撤去や切り欠きなどでバランスが崩れると、地震発生時に建物がねじれてしまうなどの影響が出ることもあるため注意が必要です。
浴室の移動に伴って、壁を解体したり窓を新設したりする場合は、構造上必要な壁などに配慮して検討することが重要となります。
また築年数の古い住宅などは「新耐震基準」を満たしていないため、予算が許すのであれば浴室移動リフォームと同時に耐震補強を検討してみることもよいでしょう。
施工事例について
今回の事例は、浴室をすぐ隣にある洋室の位置へ移動するリフォームです。
浴室と脱衣所はスペースが十分でないため使い勝手が悪く、また逆に納戸として使用していた洋室は広すぎて整理がしにくく不便でした。
そこで広い洋室の位置に浴室と脱衣室を移動し、浴室と脱衣室の位置に納戸を新設しています。
浴室はスペースを広げ、在来工法からシステムバスに変更することで、快適性を大きく高めることができました。
これまで狭かった脱衣所も広くなり、作り付けの洗面化粧台やトールユニットを設置し、とくに収納力を充実させています。
また以前は、一番奥に位置したパントリーまで洋室を抜けていく必要がありましたが、動線に配慮し洗濯機を脱衣所に設置することで家事の効率を高めています。
利便性が悪く使っていなかったスペースを有効利用することができ、また動線も整理されることで効率のよい生活を実現できるリフォームとなりました。
浴室の移動リフォームのまとめ
浴室の移動や間取りの変更は、ライフスタイルに合わせて生活の質を向上させることが可能です。
ただし一方では注意しないといけない点もあるため、豊富な経験と高度な知識を持った業者に依頼することが重要です。
ぜひ信頼できる業者と出会い、快適な生活を送るためのリフォームを実現してください。