2016年に電力の小売りが自由化され、続く2017年には都市ガスの小売りも自由化されました。
電力自由化の際にはあらゆる業種から多くの新規参入がありましたが、都市ガス自由化における新規参入は大手の電力会社や、もともと自由化されていたプロパンガス事業の会社など比較的小規模なものとなっています。
これは、ガス小売り業者にはガス機器の調査や危険発生防止の周知など、保安責任能力の確保を義務付けられていることが参入を妨げる大きな壁となっているようです。
しかし、これら小売りの自由化は激しい価格競争によって格安プランが続々発表され、なかには電力とガスなどをまとめてセットで割引を行うプランなども登場しています。
今回は電気およびガスについて乗り換えを行ったほうがよいのか、また統一したセット割りはお得なのか解説いたします。
電気会社乗り換えのメリットとデメリットについて
電気会社を他社に乗り換える場合のメリットとデメリットについて見てみましょう。
メリット
プランによっては乗り換えることで電気代が安くなるという点が最大のメリットです。
会社によってはポイントの付与や、キャッシュバックなど独自のサービスを提供しているケースもあります。
また火力や原子力、太陽光、風力など発電方法を開示していることも多く、環境問題に関心がある人などは電源構成で料金プランを選ぶことも可能となります。
デメリット
会社によっては契約期間が定められている場合もあり、途中解約には違約金が発生することもあります。
電力自由化は小売り業者が料金を自由に設定することができるため、会社の財務状況によっては値上げの措置を取るようなこともありえます。
また小売り会社が倒産した場合は、電力の供給がストップするということはありませんが、面倒な手続きが発生することなどは注意が必要です。
ガス会社乗り換えのメリットとデメリットについて
続いてガス会社を他社に乗り換える場合のメリットとデメリットについて見てみましょう。
メリット
電気の場合と同様に割安なプランを選ぶことができるということ、会社によってポイントサービスなど独自の特典があることなどです。
デメリット
家計に占めるガスの割合は電気よりも小さく、またそもそも都市ガスを利用していない世帯も多いため、プラン変更が大きなメリットになりにくい環境といえます。
また参入する会社が大都市圏に集中しており、その数が少ないことから、恩恵を受けることができる市場は限定されたものとなっています。
電気とガスをまとめたセット契約のメリットとデメリット
電気とガスの会社を統一しセット契約をした場合のメリットとデメリットについて見てみましょう。
メリット
セット割りプランによっては光熱費の削減が可能となることはメリットとなります。
また支払い先が一本化できることによって管理が行いやすくなります。
デメリット
セット割りプランにすることが必ずお得になるというわけではないため、安易に契約をしてしまうと結果的にデメリットとなる可能性があります。
セット割りプランではなく、電気とガスのそれぞれのプランに対し、一番削減できるものを選択することが実は一番お得であるというケースも多く、しっかりと検討を重ねて決定することが大切です。
また電気とガスが、それぞれどの程度安くなっているのか明確ではないという点は比較するうえでわかりにくいといえます。
セット割りなどのサービスは、電気とガスに限らず、携帯電話やインターネット回線などとの組み合わせもありますが、これらは特に契約期間と違約金についての確認が必要です。
まとめ
電力会社によるガスの小売り参入は一部に留まる一方で、ガス会社の多くは電気の小売りに参入し、自社の顧客に向け電気の供給を併せて行うなど活発な競争が行われています。
ただし中国地方においては電気とガスの両方を扱う会社はまだ少なく、セット割りなどのプランは充実したものとはいえません。
今後においては大都市圏のような事業展開が行われるようであれば変化が見られるかもしれません。
電気、ガスの自由化は消費者にとって光熱費の削減が可能となるという点では大きなメリットです。
しかし検討するうえではデメリットも同時に考えておかないと求めていたものと異なるケースが発生することもあるでしょう。
特にあらゆる種類とのセット割引など複雑な契約形態では、しっかりと内容をチェックすることが重要です。