住み慣れた家でも家族の高齢化などライフスタイルの変化によって危険が伴うことがあります。
あらゆる変化に合わせて環境をつくりかえることで、安全で快適な生活を送ることが可能となります。
とくに介護が必要な家族がいる場合は、快適な環境づくりができるよう十分な配慮をしたうえで適切なリフォームを行うことが必要です。
リフォームには費用がかかりますが、ケースによっては国や自治体の補助金を利用することで工事費用の負担を抑えることができます。
今回は広島県広島市で補助金を利用して行ったバリアフリーリフォームの事例をご紹介いたします。
バリアフリーリフォームに利用した補助金
対象となるバリアフリーリフォームを行う場合、国や自治体などからさまざまな補助金を利用することができます。
今回のリフォームで利用した補助金は2種類ありますが、それぞれの概要について解説いたします。
①介護保険制度
「要支援」あるいは「要介護」と認定されている介護保険の被保険者が生活する住宅におけるリフォームを行う場合に利用することができる補助金です。
リフォーム費用20万円までを対象とし、その9割が補助されるため、最大で18万円をリフォーム費用として利用することが可能となります。
②高齢者等住宅改修費補助
広島市で用意されているバリアフリーリフォームに対する補助金制度です。
広島市内において「要支援」あるいは「要介護」と認定されているか、40~64歳で加齢が原因とされる16種類の特定疾病により一定の受給資格を有していること、さらに生計中心者の市民税所得割額が9万円以下の世帯に属する場合に利用できる補助金です。
補助額は上限金額を60万円とする対象工事費用を、ケースごとに設定されている補助率を掛けて算出します。
リフォーム事例について
今回は築50年以上になる木造住宅において補助金の支給対象となるいくつかのバリアフリーリフォームを行っています。
浴室
在来工法の浴室をシステムバスに入れ替えを行っています。
浴室は高齢者の事故が多いため、安全に入浴ができるよう配慮することが重要なポイントです。
浴室の床には滑りにくい床材を採用することで転倒を防止し、また手すりを設置することで、移動や座り立ちを楽に行うことが可能となります。
タイル貼りの浴室は室内が冷えやすく冬にはヒートショックなどのリスクが高まりますが、高機能なシステムバスは断熱性、保温性に優れるため、リスクを軽減し快適性を高めることに貢献します。
脱衣所
脱衣所と浴室の段差を解消し、また滑りにくい床材することでつまずきによる事故を防止します。
ミラーキャビネットの付いた洗面化粧台を設置し、使い勝手と収納力をアップしています。
トイレ
和式トイレから洋式トイレに変更して改修を行っています。
高齢者にとっては辛い姿勢となる和式トイレを洋式トイレにすることで肉体的な負担を軽減することができます。
トイレ室内にあった段差を解消し、さらに手すりを設置することで、転倒による事故を防止するとともに座り立ちの動作が楽になります。
便器はタンクレストイレを採用しているため、限られたスペースを有効利用することが可能となり、掃除もしやすく快適な空間づくりが実現できました。
まとめ
今回のリフォームは、補助金を利用することによって費用負担を軽減しながら生活の質を大幅に向上させることができました。
リフォームの総費用は235万円ですが、介護保険の補助金で18万円、広島市の補助金で36万円が補完されています。
バリアフリーリフォームは生活をする人によってニーズは異なるため、事前計画が大きなカギとなります。
プロならではの提案と使用する人のニーズがマッチすることによって完成後の生活環境が向上するといえます。
自治体ごとに補助金も異なるといったこともあるため、バリアフリーリフォームを検討の方は、経験豊富なプロに相談してみてはいかがでしょうか。
取材協力:
イワタニ山陽株式会社
広島市安芸区中野1丁目7番2号
TEL:082-893-3055/FAX:082-893-0943