日本のトイレでは便器の洋式化が進み、住宅でも和式は圧倒的に少数となっています。
しかし過去には主流だったこともあり、築年数の古い住宅などは和式便器を使用している家庭も多くあります。
和式トイレを使用している家庭で高齢者がいる場合は、足腰への負担を軽減するために洋式便器への見直しを検討することもよいでしょう。
和式トイレを洋式にするリフォームは費用が高額になりますが、工事をせず洋式便器に変える「簡易洋式便座」の設置も選択肢のひとつです。
今回は「簡易洋式便座」を設置する場合の注意点や費用などについて詳しくご紹介したいと思います。
簡易洋式便座を設置するときの注意点とは?
簡易洋式便座は簡単な作業ですぐに使用できますがいくつかの注意点があります。
基本的に簡易洋式便座の設置は和式トイレに対してかぶせるだけになりますが、既存のトイレ環境に適合したものを選ぶことが重要です。
おもな注意点を見ていきましょう。
簡易洋式便座のポイント
- 和式トイレの段差の有無
- 室内の広さ
- 設置ができない和式便器もある
和式トイレの段差の有無
トイレの室内に段差があるかないかで簡易洋式便座のタイプが変わります。
室内に段差があり、その段の上に和式便器が設置している場合は高さの低い簡易洋式便座タイプを、段差がない場合は高さの高い簡易洋式便座タイプを選ぶ必要があります。
室内の広さ
トイレの室内はできるだけ広いスペースが必要です。
簡易洋式便座を設置しても、壁と干渉したり、あるいは足の曲げ伸ばしができなかったりすると使用することはできません。
簡易洋式便座を設置した状態で周辺に十分なスペースが確保できることを確認することが重要です。
設置ができない和式便器もある
簡易洋式便座によっては、設置ができない和式便器もあります。
排水穴の位置やタンクの高さや位置など、設置条件に制限がある場合は注意が必要です。
購入前には、自宅トイレの室内環境をしっかりと把握したうえで適合する簡易洋式便座を選択するようにしましょう。
簡易洋式便座を利用するときの注意点とは?
和式トイレから簡易洋式便座にすると使い勝手もまったく変わります。
簡易洋式便座を利用するときに注意しておきたいことを見ていきましょう。
簡易洋式便座利用の注意点
- ときには全体の掃除をする
- 手すりやその他アクセサリーの位置
- ウォシュレットなど機能の有無
ときには全体の掃除をする
簡易洋式便座は、設置すると死角になる部分もあるため、掃除をしているつもりでも漏れが発生することがあります。
ときには取り外して全体をチェックし、衛生的な環境を維持できるよう心がけておくことも重要です。
手すりやその他アクセサリーの位置
簡易洋式便座を設置後は、基本的に和式トイレと利用時の方向が逆になります。
座り立ちの動作は手すりがあると非常に楽になるため、利用時に使える位置への設置を検討するとよいでしょう。
またペーパーホルダーやタオルかけなどアクセサリーの位置も、動線を考慮した位置の検討が必要です。
ウォシュレットなど機能の有無
簡易洋式便座は機能を付加したものもあります。
用意されているおもな機能をご紹介いたします。
簡易洋式便座の主な機能
- ウォシュレット付き
- 暖房便座
- ソフト便座
一定の機能があるものを設置することで、快適さの向上を図れます。
ウォシュレット付きはTOTOの「スワレット」になりますが、電源や配管接続など工事が必要になることやその他設置条件を満たす必要があることなどは注意が必要です。
またその他にも暖房便座や、便座がやわらかいソフト便座などもあります。
簡易洋式便座の設置費用について
簡易洋式便座の設置は他のトイレリフォームを比較して費用が安いことが大きな特徴です。
ほとんどのケースで工事が不要となるため、製品の多くがホームセンターなどで購入して自分で設置することも可能です。
簡易洋式便座を設置する場合と、和式トイレを洋式にするリフォームをする場合のおもな費用は次の通りです。
簡易洋式便座 | 3千円代~3万円程度 |
ウォシュレット付き簡易洋式便座リフォーム | 10~20万円 |
和式トイレを洋式にリフォーム(組み合わせ型トイレ) | 30~50万円 |
和式トイレを洋式にリフォーム(一体型トイレ) | 40~55万円 |
和式トイレを洋式にリフォーム(タンクレストイレ) | 50~60万円 |
これらに内装工事や配管工事などが必要となる場合など、状況によってはさらに金額が増えることもあります。
また一定の条件を満たすことで介護保険を利用してリフォームすることも可能です。
簡易洋式便座のポイントまとめ
和式トイレを洋式にしたいとき、簡易洋式便座を採用すれば簡単でかつ安い費用で設置できます。
ただし設置条件に適合したもの選ぶ必要がある点では注意が必要です。
またより快適さを追求するなら高機能なものを採用することも含めて、プロの業者に相談することも効果的でしょう。