1日の疲れを癒すために毎日使用するお風呂は快適な空間であることが重要です。
浴室が寒い場合、入浴中につらく感じることがあったり、また光熱費が高額になったりするなど、ときには快適な環境とはいい難いケースも発生します。
とくに高齢者がいる家庭においては他の部屋との温度差によるヒートショックの危険性が高まるため、その対策が必要となります。
このようなとき、有効となるのが保温効果の高いシステムバスへのリフォームです。
今回は、家族構成がご夫婦と子供3人からなる戸建て住宅において、実際に行われた浴室リフォームをご紹介いたします。
Before|寒さの原因は断熱不足とタイルにあり
浴室は在来工法にてつくられており、室内の床や壁はタイル仕上げとなっています。
寒さの原因は断熱不足とタイル素材の熱伝導率の高さにあります。
現在新築されているほとんどの住宅には省エネ法に基づく断熱基準に則って断熱性能が適用されていますが、古い住宅には断熱材が充填されていないことがあります。
寒さを防ぐには窓を見直そう
また浴室だけでなく居室においても断熱性能を決定するうえで重要なポイントとなるのが窓です。
最も熱が移動する部位は窓になりますが、壁内に断熱材を充填していても窓の断熱性能が劣るようだと大幅に効果が薄れるうえ結露の原因にもなります。
したがって単層ガラスよりもペアやトリプルのような複層ガラスにすることなど窓の断熱性能を高めることが実は最も効果を得ることができます。
タイル素材は冷えの原因
またタイル素材は熱伝導率が高く、温度の低い浴室内ではタイルは冷たくなり、とくに足元から冷えてくることになります。
タイルはそれ以外にも目地部分でカビが発生しやすいことや、滑りやすいことなどのデメリットがあります。
石油給湯器は安い分、肉体的負担も大きい
給湯器は石油給湯器を使用しておりますが、こちらはパワフルでトータルコストが安くなる半面、給油の手間がかかり、臭いや音などが気になるという特徴があります。
冬場においては外部での給油という面で、肉体的に大きな負担になっていました。
After|システムバスを導入し、窓も入れ替え
在来浴室を解体後、新たにシステムバスを導入し、同時に窓の入れ替えを行いました。
システムバスは周囲を高性能な保温材で覆っているため、外部の冷気が入りにくい構造となっています。
増築してスペースを有効活用
従来の浴室は細長い形状で使い勝手が悪くスペースにも無駄がありましたが、増築することによって浴槽を大きくし、スペースを有効利用することができました。
ご主人が長身のため、狭苦しかった浴槽も足を伸ばしての入浴が可能となり、快適な空間として機能しています。
さらに収納不足だった洗面所も増築することによって新たなスペースが生まれ、棚を造作することでタオルや洗剤などのストックを置いたり、また入浴の際の着替えを置いたりするなどあらゆる用途で活用することができます。
給湯器をエコキュートに変更して、給油の負担をゼロに
給湯器は電気を利用するエコキュートを採用し、給油による負担をなくしました。
エコキュートは電気代が安くなる深夜にお湯を沸かしタンクに貯めておけるため、光熱費を抑えることができ、また災害などで停電になってもタンク内の水を使用できるなど多くのメリットがある給湯器です。
その他には、洗面台の上部にミラーキャビネットとLED照明を新設し、トイレの便器を節水タイプのものと交換しています。
リフォーム期間は10日間と比較的短期間で行うことができました。
在来工法による浴室は、冬場には寒いうえ危険な状況も生じやすくなるため、より快適な入浴をするためにはリフォームをおすすめいたします。
お風呂のリフォームは快適な生活を送るという意味において非常に効果が高く、また光熱費の削減ができるなど経済的なメリットもあります。
またヒートショック対策にもなり健康面においても貢献できるなど、総合的にも価値の高いリフォームであるといえます。
寒いお風呂を改善したいとお悩みのご家庭はぜひお風呂リフォームをご検討ください。
取材協力:
イワタニ山陽株式会社
広島市安芸区中野1丁目7番2号
TEL:082-893-3055/FAX:082-893-0943