何かをしようとする時に、“先立つもの”として悩ましいのはお金ですよね。
「リフォームをしたい」と思った時もそれは同じです。
コンロを変えるなど一部の機器を交換するくらいのリフォームは数万円程度で済みますが、数十万から数百万、場合によっては1千万円を超えるリフォームもあります。
理想はリフォーム費用として貯金をしておくことですが、なかなかそれだけではうまくいかないものです。
そんな時に頼りになるのが、今回ご紹介するリフォームローンです。
基本的なリフォームローンの種類と借入のポイントについて、まとめてみました。
種類は担保のあり・なし
リフォームローンは大きく分けて、「担保型(担保あり)」「無担保型(担保なし)」の二つの種類があります。
それぞれの特徴について、メリットとデメリットに分けて紹介しましょう。
担保型
【メリット】
- 大きな金額を借入ができる(1千万円以上~)
- 返済期間が長い(最長で35年くらい)
- 金利が安い(1~2%程度)
【デメリット】
- 審査の基準が厳しい
- 審査の時間が長め
- 借入できる金額が低い
無担保型
【メリット】
- 担保が不要
- 審査が早い
- 審査が通りやすい
【デメリット】
- 借入できる金額が少ない(1千万円くらいまで)
- 返済期間が短い(最長で15年くらい)
- 金利が高め(2~5%程度)
借入金額、金利、審査についてなど、それぞれの強みと弱みが逆になっているのがわかりますね。
そもそも担保って?
そもそも担保とは何でしょう?
これはお金を借りている人(債務者)が、万が一返済することが難しくなった場合のために、貸主(債権者)に対して保証を用意しておくことです。
リフォームローンを組む場合の担保で多いのは、家や土地です。
こうしたモノではなく、保証人を立ててそれを担保とすることもあります。
住宅ローンとの違いと関係性
リフォームローンとよく比べられるのが、住宅ローンです。
主に新築や増改築、土地の購入などのために組むローンです。
同じ家に関するローンですが「用途が違う」というのは、名前からもわかりますね。
しかし実際には、住宅ローンをリフォームのために使うことも可能です。
住宅ローンは、次のような特徴があります。
住宅ローンの特徴
- 借入できる金額が大きい
- 金利が安い
- 種類が豊富
住宅ローンのメリットを挙げてみました。
一方で担保が必要というのがあります。また審査期間が非常に長く厳しめです。
つまり担保型リフォームローンとかなり近いと考えていいでしょう。
「リフォームローンと住宅ローンの違いは担保のあり、なし」という説明がされていることもありますが、先ほど紹介したようにリフォームローンも無担保のものばかりではありませんので、これは必ずしも正解ではありません。
なお住宅ローンによっては、用途として「大規模リフォームに利用できます」と明示されているものもあります。
もう一つ住宅ローンで覚えておきたいのが、返済中に他のリフォームローンを組んだり、借換えができる場合があることです。
住まいは特別なものなので、返済期間も長く設定されているのが常です。そのため返済途中にリフォームが必要になるケースはままあります。
そんな時に借換えや他のリフォームローンを組むことができるのは、嬉しいポイントといえますね。
上手にリフォームローンを選ぶポイント
担保型と無担保型、この二つはどうやって選ばれているのでしょうか。
一番にくるのはリフォームの規模です。
数千万円かかる大規模リフォームを無担保型でおこなうというのは借入額から考えて不可能ですよね。
ですから担保型(もしくは住宅ローン)を選ぶことになります。
逆に小規模リフォームなら、無担保型でも十分に対応が可能です。手続きが簡単で審査も早いので、負担なく準備を進めることができるでしょう。
また実際にリフォームを進めていく過程で、予算がオーバーしてしまうケースもあります。
そうした際には無担保型から担保型へ切替可能なローン商品もあります。
金利や借入額だけでなく、さまざまなケースを想定してローン商品を比較検討してみるといいでしょう。
なおローンを組む際の大前提は、具体的なリフォームのイメージを持つことと、返済計画をきちんと立てておくことです。
リフォーム業者に紹介されたローンをそのまま採用する人も多いですが、自身できちんと計画を立てることでよりリスクを減らしていけるはずです。
- 大規模リフォーム→担保型(または住宅ローン)
- 小規模リフォーム→無担保型
相談先はどんなところ?
リフォームローンを取扱っているのは、次のようなところです。
- 銀行
- 信用金庫
- 保険会社
- クレジット会社
- 住宅支援機構
- 財形住宅融資の取扱い機関
- リフォーム会社
など
この中で銀行、信用金庫、保険会社やクレジット会社は、民間融資と呼ばれます。
民間融資の中にはネットで申込めるものや、カードローンなど審査が早くて手軽なローン商品も多くあります。
財形住宅融資の取扱い機関、住宅支援機構のリフォームローンは公的融資と呼ばれます。この中には耐震改修など用途が限定されるものもあります。
また自治体がリフォームローンを支援している地域や、リフォーム会社が自社の商材を使用したリフォームの際に、独自のリフォームローンを提供している場合もあります。
リフォームの広がりとともに、リフォームローンも豊富な種類と便利な制度が増えています。