和室を洋室にリフォームするときは、どのような和室をどのような洋室にリフォームするのかによって費用は大きく異なります。
畳、土壁、天井が板張り、襖や障子がある純和風な部屋を、床はフローリング、壁や天井はクロス貼り、襖や障子は洋風扉に変更するというのがフルリフォームです。
反対に畳だけをフローリングにする、建具だけを洋風にするといった風に部分的なリフォームもするケースもあります。そこでリフォームの規模別にご紹介することにしましょう。
6畳の和室から洋室にフルリフォーム
敷居鴨居をとって、襖を洋風の建具に。そして土壁や板張りの天井はクロスにし床をフローリングにする場合、大工工事で敷居鴨居や畳の撤去を行います。土壁の場合は真壁という柱や梁の軸組が表面にでてくる仕上げになっています。クロスにリフォームする場合は大壁といって柱や梁が隠れフラットな状態にしてクロスを貼りますので、真壁の部分に合板や耐火ボードでクロスの下地を作りフラットに仕上げます。
天井も板張りの仕上げを撤去しクロスが貼れるように耐火ボードで下地をつくり、床は畳とフローリングの厚みが違うため、たいていの場合は畳を撤去したあと床の下地を嵩上げします。その際床下に断熱材を敷く場合もあるでしょう。できればローカとの段差をなくしフローリングを張っていきます。
これらの大工工事に3〜4日かかり、そして天井と床のクロス工事に1日、コンセントや照明器具、エアコンの工事に1日かかり完成です。
費用は大工工事に9万円~12万円、木材費に2,3万円、クロス工事に5~7万円、フローリングや窓枠、ドアなどに10万円~15万円、電気工事に2,3万円かかります。合計で30万円~40万円の費用が目安になります。フローリングやクロスなどのグレードによって費用に差がでてくるでしょう。
畳をフローリングにする工事
壁や天井は既存のままで床だけを畳からフローリングにする場合は、畳を撤去し、フローリングを張るための下地に合板やベニア板もしくは根太という床板を支える桟木を施工します。そしてフローリングを張っていき完成です。
このケースに要する日数は1~3日で費用は10万円~14万円ほどになります。
この費用には大工手間、フローリングの製品代、フローリングの下地木材、畳の処分費が含まれています。畳を処分するにはお金がかかりますので、自分で捨てるかもしくは別途活用するなどで費用は削減することができます。
押入の襖をクローゼット扉に
和室には押入があり、それを洋風のクローゼット扉にする場合、既存の敷居を撤去し、新しく取り付ける扉の枠を入れなければなりません。敷居を取るというのは埋め込んでいる場合もあり,まわりの床や壁も干渉してくるため、壁や床の補修工事が伴う場合があります。全体にリフォームするのであれば、床や壁も工事をするため問題ありませんが、押入のみの場合はキレイに敷居を取れないかもしれません。
完全に敷居を取って新しい枠と扉に変更し押入の中の中段も撤去し、パイプハンガーを設置する場合、工事日数は2~4日、費用は廻りの壁や床の補修も含め13万円~20万円ほどになります。
押入だけでなく出入り口の襖や障子を洋風の扉にする場合は引き戸か開き戸かによっても工程や費用は異なりますが、8万円~12万円の範囲で工事をすることができます。
和室から洋室へのリフォームのポイント
冒頭でも述べたように和室から洋室へリフォームするには様々なパターンがあります。特に既存の真壁の場合はクロスを貼るためにまず大壁にしなければなりません。柱を残したままクロスを貼ると言う方法も選択できますが、完全な洋室にはならないため注意が必要です。また仏間や床の間がある場合はその部分をどうするか検討が必要です。床の間を利用してクローゼットにすることもできますし、フローリングを張りこんで部屋として取り込むことも可能です。
リフォーム工事は工事の工程が増えればそれだけ費用もかさみます。既存の状態からどのような仕上げにするかによって、下地工事が伴う場合があります。また、畳からフローリングへの工事は床の高さに注意が必要です。
畳の厚みとフローリングの厚みは異なりますし、敷居の高さの分、和室内の床高がローカより上がっている場合もあります。見積りを依頼する場合は床の高さについての説明を求めるようにしましょう。
床のみを畳からフローリングに変更するだけでも洋室感は得られますので、まずはどのようなリフォームをしたいか検討し、何社かに相見積りを依頼すると良いのではないでしょうか。