薬を飲んでもなかなか咳やくしゃみが収まらない、喉が年中イガイガするなどの症状があれば、もしかしたらシックハウス症候群かもしれません。
シックハウスとは、家の建材や接着剤などに含まれる化学物質や、カビや細菌などが原因となり健康被害を人体にもたらすことを言います。
もし、普通に生活しているだけで健康が害されているとしたら、大変なことですね。
そこで今回は、自分の家がシックハウスかどうかを調べる方法についてご紹介します。
アクティブ法で検査する
物理的な検査方法としては、アクティブ法とパッシブ法があります。
まずはアクティブ法から説明します。
アクティブ法とは
アクティブ法は厚生労働省が推奨している検査方法で、吸引ポンプを用いて室内の空気を吸引し、空気中の化学物質を捕集し測定するものです。
アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド)とVOC類(トルエン、スチレン、キシレン、エチルベンゼン、パラジクロロベンゼンなど)を別々の管に捕集して測定します。
測定方法としては、朝十分な室内換気をし、そのまま室内環境を5時間保持した後、室内の中央に専用装置を設置して午後2時〜3時の時間帯に行います。
この時間に測定するのは、VOC(トルエン、スチレン、キシレン、エチルベンゼン、パラジクロロベンゼンなど)の拡散がもっとも高くなるからです。
アクティブ法ではVOCの最大濃度が分かります。
アクティブ法は有資格者が行う
アクティブ法は厚生労働省が定めた「室内空気測定のガイドライン」に基づき、特殊な測定装置が必要で、かつ有資格者でないと測定できません。
そのため信頼性が高く、確かな検査方法と言えます。計測時間は30分程度ですが、専門家が測定するため有料となります。
パッシブ法で検査する
パッシブ法は、アクティブ法に代わる方法です。
パッシブ法とは
パッシブ法はアクティブ法より手軽な検査方法です。こちらもアルデヒド用とVOC用それぞれの捕集管を用いますが、サンプラーを室内にぶら下げて24時間の測定が必要となります。パッシブ法ではVOCの平均的濃度が分かります。
パッシブ法は自分でできる
パッシブ法は自主測定できるため、測定費用は比較的安価です。ただし、販売されている簡易型VOCの測定器は、化学物質の有無を判断できる範囲に留まります。
病院で検査する
病院では、体を検査してアレルギー症状などの原因となる成分を明確にし、シックハウスと判断します。検査をする科は、アレルギー外来や内科です。
アスベスト専門外来がある病院や、アレルギー専門医がいる病院などを探すと良いでしょう。
シックハウス症候群の症状
シックハウス症候群の症状としては、目やにが出る・目に痛みやかゆみを感じる、くしゃみや鼻水が止まらない・鼻の奥に痛みを感じる、蕁麻疹や湿疹が出る、疲れやすい、めまいや頭痛がする、嘔吐感があるなど人によって様々です。眼科や耳鼻科、皮膚科など特定の病院に行ってもなかなか治らない、またはすぐに再発するといった場合には、家の中のなんらかの物質が関与している可能性があると考えます。
検査と診断
シックハウスの検査は、まず問診から始まります。体調の変化、家から離れると症状が改善するかなど、細かく問診します。専門機関に依頼して、家の中の空気環境を調査する場合もあります。また、神経眼科の検査をすることもあり、シックハウスにかかっていると検査で異常値を示すことが分かっています。
シックハウスの対策とは
シックハウスの一番の対策は、十分な換気を行うことです。窓を開けて家の中にこもった化学物質を外に出し、室内の湿度を調整することでカビの発生も防げます。ダニは死骸もアレルギー症状の原因となるため、こまめな掃除や洗濯も必要です。
また、医療機関では内臓の弁を強化する腹筋運動や、代謝を上げて体内の化学物質を排出させる温泉やサウナ、運動を勧めています。その他、不摂生な生活は免疫力を下げ、アレルギーの抵抗力も弱くなるため、バランスの取れた食事や睡眠も重要です。
それでも改善しない場合には、調湿コントロールができる建材にリフォームすることをおすすめします。
「シックハウスの調べ方」まとめ
自宅がシックハウスかどうかを調べるには、次の3つの方法があります。
- アクティブ法
- パッシブ法
- 医療機関での検査
シックハウスは重症化すると生活に支障をきたしかねません。検査して自分の家がシックハウスだと分かったら、すぐに改善策を考えましょう。